全力で泣かせに来るだろうなとは思っていたが、その強引な手口にまんまとはまってしまった。
ノルウェーのブリーダーが元といわれている「犬の十戒」を聞いただけでもウルウルしてしまうのに、そこに可愛いお犬様の映像と来たらもうダメ。
しかし、では映画として良作かと言うとこれは別問題。
泣けたから良い作品とは限らない。「強引な」と言うのはこのことで、十戒と可愛い犬の映像だけを上手く編集して10分ぐらいの短編にしても、犬好きならたぶん同じぐらい泣ける。
結論から言ってしまうと今作はこの「十戒」「可愛い犬」と言う武器を使い泣かせたが、それ以外は酷い出来と言うことだ。
十戒だけでは間が持たないので、要らないエピソードを羅列。
CGで尻尾を動かす、問いかけに頷く、あっちむいてほい!など犬の擬人化も目を覆いたくなる。
ハート付き吹き矢、毛が四角くなったプードル、布施明の歌など、なぜそのシーンを入れたと怒りたくなるようなギャグ。
犬が亡くなるとこで止めとけばいいのに、超蛇足の結婚シーン。
どう見ても弾いていないギター、逃げたときに付いていたリードが無くなる、など細かいところがいい加減。監督の「テーマが大切で些細なことは~」なんて言う言い訳が聞こえて来そうだ。
犬を使った感動ポルノ、と言った作品。