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ボブ・ロス 楽しいアクシデント、裏切りと欲のInoriのレビュー・感想・評価

2.9
何か別のドキュメンタリーで、ボブ・ロスの権利を持っている人が欲深くてもめているというのを観たことがあったけど、細かい背景は知らなかった。成功した本人にはビジネス権利がほとんどなく、裏でお金のことを全て牛耳っている人が居て、その周りで本人以外が本人のお金をめぐって争うという、なんともドラマみたいな現実の話である。彼のビジネス面を握っている人の行動というのは、ビジネスをやる人なら当たり前の思考なのかもしれない。権利を最初から根回しして牛耳り、ライバルたちを根こそぎつぶしていくやり方は、ビジネス界では王道なのではないか?そう思うとビジネスって怖い。

ボブ・ロス自体がふわーんとしたハッピーな人なので、彼と絵のお陰で助けられた人も多いだろう。一般の人々からするとそんな裏話はどうでもよくて、結局はボブ・ロスの人間味や絵に救われているという事実は変わらないんだよな、という結論は良かったと思う。しかし家族や関係者は多少はやっぱり「お金持ちになり得たのに…!」という思いはあるのが、それが普通の人間なんだなと観ていて思った。

ドキュメンタリーとしては普通で、特にドラマティックでもすごい真実が暴かれるわけでもなく、推測の域も超えない感じだった。

クラフトアートのビジネスの裏側というのを知れてちょっと面白いというのはある。
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