「なにがしか」に縛られ続ける男たち。その「なにがしか」に苦悶の表情を浮かべながら、従順に呑み込まれたり、ときには抵抗したりを繰り広げる。
裏を返せば、監督作のそういうキャラクター像に「苦しい俺」という自己陶酔も感じていたのだけど、この映画の主人公はその苦しみすらストイックなルーティンで封じようとしている(「苦しさを見せない俺」という自己陶酔だって?そうなると、もう死ぬしかねえな俺たち)
それに加えて、微睡むような暗転や、硬派なブラックレベルモーターサイクルクラブや、カードテクニックや、オスカーアイザックもあり、今までにないくらい静謐で、色気のある作品に仕上がっていると感じた。
その分、アブグレイブ刑務所とミスターUSAのうるささは、本当に「うるさい」って感じだ。