にょこ

LAMB/ラムのにょこのネタバレレビュー・内容・結末

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

新年1発目に選んでしまった。
好奇心とは恐ろしいですね。


100分ちょいという、割と自分の中では短い方なのに、不気味さを誘うゆーっくりとした演出から、長く感じる映画です。
長く感じるから嫌だというわけでもなく。
この雰囲気を感じるには必要な時間でしょう。

マリアとイングヴァル(過去にアダという子供を亡くしてる)は羊の出産に立ち会い、羊なんだけど羊じゃないこどもが産まれてくる。

この映画、色々驚くんですが、、
産まれてきた半羊のアダを驚くほどすんなり受け入れるんですね。

ペートゥルが出てきて『あれは一体なんだ』って台詞に、安堵したものです。
この人、クズみたいな匂いするけど、良かったー。このアダに対する感覚、私だけじゃなかった!とホッとしました。
アダはめちゃくちゃ可愛いので、嫌なものとして見てるかというとそういうわけでもなく…
ペートゥルが殺すのを躊躇うのもわかる。
劇中、銃を向けた対象を殺さなかったのはペートゥルだけでしたね。。

そして、ペートゥル、絶対死ぬな、と思ったら…
ある意味、マリアに守られた形で生き延びたように思えます。
それともアダを殺さなかったことを実父が見ていたからか。

この映画、キリスト教の暗喩はあるんでしょうが、それで何を伝えたいのかはわかりませんでしたね。
キリスト教に詳しい人ならわかるのでしょうか。
何故、ラストの禍々しい実父はもっと早くからアダを迎えに来なかったんだろう。
あとよそ様の女の子(羊だけど)に勝手に種付けしちゃダメでしょ…
マリアが実母を殺したのは良くないけどさ。

あと実父が銃を使うのは実母を殺された腹いせなのか?そこも不自然なんですよね。
どのシーンだったか…後半、銃がいつもの場所になかったので、家に入り込んでわざわざ銃を取りに来たわけだ。
あんなムキムキな体ならイングヴァルくらい一捻りな気もするから、銃で殺すことに意味があったのかと深読みしてしまう。

この映画の風景が壮大で、外の世界と分裂されたような雰囲気があることも一因かと思いますが、どうもふわふわとした感覚やストーリーのモヤモヤが残る映画でした。
にょこ

にょこ