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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲のhayatoSのレビュー・感想・評価

5.0
小学校の頃みて怖くて見てなかった作品。
ひろしとみさえの顔とか雰囲気がめっちゃ怖くて全部見れなかった。
が、今となってはとても後悔している。
久しぶりに見てみたけど、やはり最初の方のひろしとみさえは怖い。あのダークな雰囲気が不気味なんだよなー。
でも、我慢して見ていくとなんとも良くできた子供も大人も楽しめる王道エンターテイメントになっていることに気づいた。
そしてさらに見ていくと涙線をくすぐられるクレヨンしんちゃん映画最高傑作になっていることに気づいた。
最初に不気味な雰囲気を漂わせてカーチェイスのシーンでクレヨンしんちゃん独特のエンターテイメント性を展開し、ひろしが大人に戻る場面ですこしうるっとさせてラストのタワーのシーンでエンターテイメント性と感動要素を詰め込ませている。
なんとも完璧な流れだと思う。
昭和の古き良き時代のことがテーマになっているから大人でも楽しめる。ところどころで流れる懐かしい昭和の曲がノスタルジックな雰囲気を映画に添え、知らぬ間に一緒に観ている大人も映画の世界に吸い込まれる。
「過去」そして「現在」。どちらがいいのかはよくわからない。けれど、「現在」には「未来」がある。
その「未来」はどうしていくべきなのか、この映画に問いかけられた気がする。
この映画の悪役は昭和の時代を取り戻したい人たちなのでどうしても昭和の時代が批判的に見られるかもしれない。
しかし、「過去」である昭和の時代もそんなに悪いものでもないと思う。悪いのは悪役で昭和の古き良き時代にはなんの責任もないのだ。
「過去」には不思議な魅力がある。なにか良くないことがあると人間は「過去」に戻りたがる。
その「過去」に魅せられたのが今回の悪役たち。
この映画を見る上で重要なのは彼ら悪役たちの言葉にも耳を傾けることだと思う。
彼らの言葉にも真剣に耳を傾けることで、この映画を見た人それぞれに自分の意見が生まれるんだと思う。
「過去」はなにが起こるかわかるから安心する、しかし「未来」はなにが起こるかわからないから恐れがある。自分たちは変わり続ける「現在」の中に生きている。
「生きたかった過去」より「生きたい未来」を見つけることが重要なのだと思った。
「生きたい未来」を見つけるには当然「過去」も見つめていかなければならない。
だから自分たちが今生きている「現在」の一瞬一瞬からなにを学んでいくのかがこれからの「未来」をよくしていく鍵なんだと思う。
「過去」と「現在」から学ぼう。
「未来」をよりよくしていくために。
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