キラリ

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲のキラリのレビュー・感想・評価

5.0
“懐かしいってそんなにいいものなのかな?大人にならないとわからないんじゃない?”

劇場版クレヨンしんちゃんの中では、個人的に不動のNo.1。20年前の作品だけど、これからもアニメ映画界に残る傑作の一つとして受け継がれていく名作だと思う。

子供が観ても十分楽しめると思うけど、大人になってから観ると色々な感情が湧き上がってきて、考え方や見え方が変わる作品な気がする。

大人になるにつれて、社会に揉まれ、人間関係にも揉まれ、現実の厳しさを知る。もしかしたら、現実を知るということが大人になるということなのかもしれない。子供の頃はあんなに純粋で希望にあふれていたのに、いざ大人になってみると相手の顔色を伺いながら行動したり、つい打算的になってしまったり。目の前に立ちはだかる現実の厳しさに「あぁ、あの頃は良かったなぁ。あの頃に戻れるものなら戻りたい。」とノスタルジックな気持ちに浸ることも時にはある。けれど、現代のテクノロジーでは、どうあがいても過去に戻ることはできない。どんなに苦しくて、躓いて、もがいても、それでも未来に希望を抱いて日々生きていくしかないのだ。でも、大人になることは悪いことばかりではない。大人になったからこそ得られるものがある。それは、自己成長だったり、出会いだったり、家族だったり。それらが、20世紀博の虜になる大人たちの姿やひろしの回想シーン(伝説に残るであろう3分間)やクライマックスのしんちゃんと家族がタワーを駆け上るシーンから感じ取れて、心を揺さぶられて思わず泣いてしまった。

本作は、「泣けるしんちゃん映画」として呼び声が高いが、クレヨンしんちゃんならではのコメディ要素ももちろん健在。マサオくん覚醒のシーンやスナックのママが様になっているネネちゃんには涙がでそうなくらい笑った。サトーココノカドーからの脱出や幼稚園バスのカーチェイスの場面もワクワクハラハラドキドキで、本当に最高!!!
キラリ

キラリ