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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲のcchhiikkaakkooのレビュー・感想・評価

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なつかしいにおいに誘われ、過ぎ去ったあの頃へと還りゆくオトナたち。

"なつかしい"ってそんなにいいかな、とコドモは言う。"オトナになりたい"とコドモは言う。彼らの見ているもの、それは未来。


あの頃に憧れていたはずの、輝かしいはずの、手にした"未来"は明るいか?モノで溢れた時代に生きて、目につくのは壁とゴミくらいだ、って、案外間違ってないかもしれない。あの頃にはあったはずの豊かさって、一体いつの間に、どこに忘れてきてしまったんだろう。


戻りたい瞬間や戻りたい空間、あたしにだってある。鼻のずっと奥で、まだ微かに覚えてるにおい。あの頃に聴いていた音楽や、懐かしい景色にノスタルジーを感じてはしんみりとして、時々無性に泣きたくなるくらい。頭と心がすっかりと、あの頃に呼び起こされてしまうんだよ。

でも戻れない、戻らないのは、今があるから。あたしの今は、コドモたちの未来に繋がっているから。未来に生きる彼らにつながるあたしの今を、あたしはあたしの大事なひとと(それを"家族"というのですね、この映画では)生きていきたい。そんなことを思った。
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