あひひ

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲のあひひのレビュー・感想・評価

5.0
「懐かしいってそんないいものなのかなぁ」

20世紀の匂いで子供に戻された大人たちを取り戻すしんのすけたちを描く。

ギャグとシリアスのバランスが非常に良い!そしてハイレベル。
泣かせ所は存分に感動させといてギャグパートはしっかり笑える。
ギャグパートではバーやマサオくんのバス運転のシーンが特に笑えますねぇ

泣けるところも本当に多くて
『ひろしの回想』はね。。泣かない人いるんですかね?笑
こうやって繰り返されていくんですね。
自分も家庭を持ったら今の倍泣けるんだろうなぁ。。音楽も素晴らしい。

しんちゃんがタワーを登っていくシーンは傷つきながらも未来へ進んでいくメタファーのようにも感じ、泣けます。

最後家に帰ってきた野原一家
みさえとひろしに「とうちゃん、かあちゃんおかえり!」って言ったしんちゃんの言葉になぜか感動しちゃいました。
色んな意味のあるおかえりだなって。

ノスタルジーを敵と見立ててまだ想い出に無頓着な子供がそれを倒すって冷静に考えたらすごい発想ですね。

僕がこれを始めて観たのは映画公開時で小学生の頃。
当時は大人たちの居なくなった街で子供たちが生活してるのに憧れを持ってそういう所に面白さを感じていたと思うんですが大人になって観ると全く別の角度で楽しめるレンチキュラー的映画。
大人も子供も楽しめる隙のない映画。

昭和の時代って体感したことはないけどどこか懐かしさを感じさせる魅力的な時代。

昭和の美しさを描いた映画なんてよくありますけどこの映画はそれに対するアンチテーゼにも感じます。
未来を見ないといけない。
未来は怖くて美しい過去に戻りたくなるけどそれじゃダメなんだよって。
ありそうでないタイプの映画でしたよね。

それをくさくなく伝えれるのはクレヨンしんちゃんしかない。
ある程度無茶苦茶にしても気にならない、むしろ笑いにできるって偉大。
改めて素晴らしい国民的アニメだなと思いました。

「ボウズ…お前の未来、返すぞ」
あひひ

あひひ