よんたくろーす

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲のよんたくろーすのレビュー・感想・評価

3.2
これ、完全な大人向けじゃん。
それも、かなり攻めてる。
これは、今こそ、評価されていい気がする。

昔からクレヨンしんちゃん映画の中でも話題だったから知ってはいたものの、見たことはなかった。
良い評判は聞いていたが、正直、クレヨンしんちゃんなんて子供向け映画は、いくら良作でも年齢が1桁台の時で卒業すべきだとも思っていた。
しかし、公開から17年経ち、当時の子供も成人を超えた今でも、この映画と次作だけは別格扱いされている。
故に、騙されたと思って見てみることにした。
…以上のような考えを持っていたが、悔しいことに、とても楽しめた。

この映画、まず暴力が少ない。
小さい頃みたから正しいかどうかはわからないが、しんちゃん映画は結構格闘をしていた気がするが、この映画はそれがほとんどない。
しかし、しっかりアクションはやっている。
下品だが、それもなぜか笑える。

そして、なぜこれが"今こそ"評価されるべきかというと、当時の子供がこの映画のひろしと同じ立場に立ちつつあるからだ。

今の作品は、リメイクやリブートが続く「懐古主義」の流れが強い。
言うなれば、やってることは今作の敵役と同じことだ。
さらに、時代が大きく変わりつつある中で、よりノスタルジーを求めているようにも感じる。
そもそも、この作品もノスタルジーの一部になりつつある。
この映画のひろしを含めた大人たちのようになっている人も多いのではないだろうか。

今回のしんちゃんは、それに立ち向かっている。
暴力を振るわずに闘う姿をみていると、自分たちも未来のために頑張るべきだと考えてしまう。

当時の子供こそ、この作品を見直して、映画に連れて行ってくれた親御さんのように、これからもがんばってほしい