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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲のペンのレビュー・感想・評価

5.0
映画クレヨンしんちゃんシリーズ第9作。
原恵一監督による伝説的傑作映画。

第10作『戦国大合戦』と並びしんちゃんシリーズ最高傑作と言われているが、私はアニメ映画史上最高傑作、日本映画史上でもトップクラスに入る作品だと思っている。


大人たちの間で大ブームの昭和40年代を体感できるテーマパーク《20世紀博》。しかし、その正体は現実の21世紀に絶望した大人たちによる組織《イエスタデイ・ワンスモア》の日本を20世紀に逆戻りさせるための陰謀だった―――。


“過去に戻ろうとする大人たち”と“未来を生きようとする子供たち”がぶつかり合うのだが、本作が描くのはアニメ映画によくあるバトルではない。
本作がすごいのは「懐かしい」と思う心そのものを敵として描いているのだ。
大人たちが戦う相手は子供ではなく、自分自身の心と戦うことになるのだ。

もちろん懐かしいと思うことは悪いことではないのだが、「過去に逃げるのではなく、未来に向かって進め」とこの作品は観る者に激しい渇を入れる。

個人的には、すべての成人が観るべき映画だと思っている。日本は成人式でこの映画の上映会をしたらもっと世の中よくなるんじゃないかと思ってしまうほどだ。

しんのすけの父・ひろしが自身の半生を回想するシーンは、誰もが自分の人生と重ね合わせ涙してしまう映画史に残る名シーンだ。
何故こんなにも切ないのか。
何故こんなにも涙が出るのか。

本作を観ていない人には、実際に作品を観て感じて考えていただきたい。