ゲー

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲のゲーのレビュー・感想・評価

3.4
しんちゃん映画は嫌いだけれど、1番の傑作とされているコレをスルーし続けるのもどうかと思い鑑賞。

序盤、やっぱり退屈だなあと思っていたのだが、大人達が子供返りして暴走し始めてからの、ホラー映画めいた展開は目を奪われた。
デパートに立て篭もる展開とか「ドーン・オブ・ザ・デッド」かよ!と思った。
その後の、かすかべ防衛隊によるバス逃走劇も、カリオストロの城みたいなカーチェイスだったし、オマージュの数は相当にある。
敵の2人組ケンとチャコには『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を観たせいで、ロマン・ポランスキーとシャロン・テートがモデルなのかな?と勝手に思い込んだが、後で画像をググるとあまり似てなかった。

冒頭の、月の石の伏線で始まる、子供になってしまったひろしの覚醒。
俺も涙出そうになったよ。
みさえは特に回想せず、アッサリ元に戻ったのはアレレ?だけど、らしいといえばらしい。

鉄塔での追いかけっこはクドかった。
なんかあんまり緊張感もない、やる必要あるのコレ?な細い足場での競り合いは退屈。

ラスト間際、階段を走るしんのすけのシーン。
うーん、俺は嫌い。無駄に大袈裟。
異常に身体能力が高いしんのすけといえど、ここまで走り抜けるほどに凄くはないよ。
なんでこんなに真顔で必死になる?
確かに世界と家族の危機ではあったけれど、しんのすけはここまでシリアスになる奴じゃないだろう。
倒れ込んだ後の感動的な台詞も、俺は絶対にナシ。
いくら兄になって真面目になったとはいえど、しんのすけはこんな事言わないって。
のび太やジャイアンが、劇場版補正で勇敢な戦士と化す事には何の違和感も感じないけれど、しんのすけが真面目な事言うのは違和感しか感じない。

『ヘンダーランド〜』の感想にも書いたけど、やっぱりこういうアニメの劇場版は、原作者の手を離れた、監督と脚本家による二次創作の域を出ない気がする。
元の作品のガワだけ借りて、制作陣がやりたい事をやった感。
しかし、この作品に関して言えば、そのやり方で上手くいった例なのだろう。

嫌いな所もかなりあるけれど、良い所もある。
うーん、ただやっぱり俺は、しんちゃんの映画は多分もう観ないよ……
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