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息をするようにのmiuのレビュー・感想・評価

息をするように(2021年製作の映画)
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孤独を知っているから、強く優しくなれるということ。一人でいる、誰かといる孤独。耐えうるのはすごいことで、誰もが持っている力ではないかもしれない。磨いて磨いて誰かのそれに反射したとき、一等ひかり輝くもの。音楽や本、映画、それ以外でも様々な知識を持っている人はその分孤独な時間があったのかもしれないと思えて魅力的に映る。何もないと思わされているのはどうして、何も持っていない人なんてきっといない。奪われて失った、持たざる経験を持っている。普通とか特別とか、あるんだろうけど、ただそこに生きていて、光が差し込んだり雲が立ち込めるだけ。でもその隙間に名前の付かないかけがえのない時間があったら、それだけで生きていける気がするから不思議だ。後ろ姿だけであなたのことが分かるくらい鮮明に焼き付いている。握った手がどこまでもいけると思わせてくれる、たったひとりの人。
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