ヴレア

シチリア!シチリア!のヴレアのレビュー・感想・評価

シチリア!シチリア!(2009年製作の映画)
3.3
シチリアで育った男の人生を描いた一大叙事記という点においては「ニュー・シネマ・パラダイス」と共通する所だろうが、あの作品では分かりやすくトトとアルフレードの交流をメインに据えられていたのに対し、本作はやや込み入っている。
主人公だけの物語がメインではなく、色んな人達の群像劇であり、ひいては街全体を一つとして物語が語られて行くのだ。
その為、観ているこちらとしては誰に感情移入したら良いのか分からなかったり、はたまたあまりにも人物の成長が早かったり、色んな事件が起きてもそれについて深く掘り下げずどんどん進んで行くというスピーディーさに付いていくのがやっとであり、そこまで深く入り込めなかったし、カタルシスも得られなかったというのが正直な感想だった。
ただ、構成として現実と夢の入り混じった、少々ファンタジーな演出とかはとても"粋"に感じられたし、ノスタルジックな情景を創り出すのはさすがに上手いなと感じられた。
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