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1941 モスクワ攻防戦80年目の真実のpechinpahのレビュー・感想・評価

3.5
近年続々と製作され続けているロシア産大祖国戦争映画最新作

快作『T -34 レジェンド・オブ・ウォー』が戦車映画なら本作は砲兵映画🤣

1941年に開始されたナチスによるソビエト侵攻~バルバロッサ作戦~
圧倒的な速さでモスクワへ攻め上がるドイツ軍を足留めすべくポドリスク兵学校の士官候補生も前線に投入されるが…

見どころはやはり戦車vs対戦車砲
移動、仰角調整、照準全てが手動の砲兵と、ある程度自動化されている戦車との攻防は新鮮
特にカモフラージュを駆使してドイツ軍を翻弄するソビエト砲兵戦法描写は秀逸
小屋の扉を使ったギミックは他の戦争映画でも描かれていたと記憶している

そして大祖国戦争映画ならではのスケール感も健在
特に実際にセットを爆破して撮影されたであろう、空爆俯瞰ショットは圧巻だった

勿論ミリタリ的再現度の高さも引き継かれている
Ju 87 シュトゥーカ、Do 217といった航空機はCGだけど、Ⅱ号戦車、Ⅲ号突撃砲、38t、といった戦車は実車を改造して再現というお馴染みの手法が継続されているのも嬉しい

戦局全体を描く歴史再現劇だった70〜80年代の作品とは異なり、近年は局地戦を描くアクション映画を指向していてゴア描写も多いのがハリウッド産戦争映画には無いロシア産戦争映画の特徴であり、長所

そしてこのゴア描写は独ソ戦が絶滅戦争という特異な歴史背景だったという事実と切り離せ無いもの
大木毅『独ソ戦』や逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』を読めばそのあたりが補完されると思う

『ヨーロッパの解放』や『レニングラード攻防戦』と比較するとスケール感は劣るがアクションとエンターテイメント度は倍増した21世紀の新たな大祖国戦争映画の誕生に乾杯!