神聖な神の存在意義を疑うような、斜め上を行く展開、最低最悪描写/『エクソシスト』を彷彿とさせる悪魔描写/正直僕が思うにプロデューサーで参加しているナ・ホンジンの『コクソン』のグレードアップ版、さらに磨きがかかった恐ろしさがホラーマニアをうならせます。
土着ホラー作品は怖さにフォーカスしすぎて、信仰に対する様式美だったりが蔑ろになりがちですが、バヤン女神の美しさだったり、土着信仰の美しさなどが画面いっぱい伝わってくるので美しさと残虐さの落差が秀逸。
最初の1時間ぐらいは割とジワジワとクライマックスに対する土台作りが行われていくので、かなり最初はスロー展開ですが、そのフリが非常に効いており、かつモキュメンタリー形式が相まってクライマックスを引き立たせます。モキュメンタリー形式、POV形式であそこまでやりすぎると、『テイキングデボラローガン』のようにコメディぽく見えてしまいますが、しっかり怖いです。
しかしこのモキュメンタリー形式でどのくらいカメラマンがいるのかよく分からなかったですね、最初は1人だと思ったらインサートぽくまた写ったりしたので、モキュメンタリーにするならモキュメンタリーで通してくれるともっと没頭する事ができるし、緊迫感も爆上げするかなと1個人として思いましたね。
そして最後のシーンは今まで何を見せられてたんだよ!と言いたくなるような言葉を投げかけられてもエンドロールに突入します。散々それなりに没頭してたのに置いてけぼりにするのも好きです。
🔮「祈りの先に、救いはあるのか」🔮