ケイスケ

女神の継承のケイスケのレビュー・感想・評価

女神の継承(2021年製作の映画)
4.3
怖すぎる。映画館を出てもイヤ〜な気分が抜けなかったのは『ヘレディタリー/継承』以来です。てかヘレディタリーにも継承って付いてる!もう継承するのやめろ😡笑。

タイ東北部イサーン地方。その小さな村に暮らす女性ミンが突如体調不良に陥り、それまでの彼女からは想像できない凶暴な言動を繰り返す。ミンの豹変になす術もない母親は祈祷師をしている妹ニムに救いを求める。ニムは、ミンが祈祷師を受け継いできた一族の新たな後継者として何者かに目され、取りつかれたために苦しんでいるとにらむ。

『哭声/コクソン』のナ・ホンジン監督が原案とプロデュースを担当したホラー。コクソンも全編通して纏わりつくような気持ち悪さが漂ってる映画でしたね。本作は韓国とタイの合作ですが、この2国ってアジア映画の中でも突き抜けた作品をよく作る印象。そりゃこんなやべー映画が出来上がるはずだわ…😰

モキュメンタリーの悪魔祓い映画だと『ラスト・エクソシズム』を思い出しますが、なかなか珍しい題材だと思う。こういう悪魔を祓う映画って取り憑かれた人の演技が微妙だと笑ってしまうことがあるんですが、本作のミン役のナリルヤ・グルモンコルペチの演技が凄すぎる。マジで『エクソシスト』のリンダ・ブレアを超える勢い。ちなみにYouTubeでナリルヤさんの日本の観客へ向けたメッセージが見れるので、これを見てホッコリしましょう😆笑。

そして全編通して絶望感がすごい。特にあるキャラが死んでから「え?これ詰んだんじゃね?」と一気に不安にさせられる。そこからは坂を転げ落ちるように最悪の展開が続くため「どうすんだよこれ…🥺」と、どんどん恐ろしい気持ちになっていく。本作はこの感覚がホラー映画として圧倒的に優れており、めちゃくちゃ面白かったですね。

モキュメンタリーとしてカメラワークが変なところもあるんです。終盤はあんな事態になったら、普通はカメラなんてぶん投げて逃げるよね。まあこれは臨場感を出すためなので劇映画としては全然アリかと。個人的には、ここ数年観たホラー映画ではトップクラスに怖かったです。ちなみに一箇所だけガチのビックリ要素があるので未見の方は身構えておきましょう。どこかは教えないけどね🥴笑。