肉鹿

THE FIRST SLAM DUNKの肉鹿のレビュー・感想・評価

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
4.7
SLAM DUNKが、終わる———原作者井上雄彦が監督脚本を担当。

最高だった。泣いた。5万回泣いた。嗚咽した。しばらく席を立てなかった。最後のシュートで映画館の誰もが息をするのも憚れるような緊張感を生み出した無音演出に誰よりも息を止めてた。苦しかった。

徹底的なまでの情報規制を敷かれて、どんな物語かもわからないまま向かったから最初は不安しかなかった。
でもバスケットボールに不意に触れると「安西先生…バスケがしたいです」てつぶやきたくなるぐらいの知識しかないけど、最初から衝撃だった。

この物語の主人公は桜木花道じゃない———。

賛否がわかれていることは知ってた桜木花道役の声優さんは、脇役だったからこそこのキャスティングで正解だと思う。そりゃ何十年もドラえもんで脇役のジャイアンをしてるんだから脇に回ったら超絶上手いに決まってる!

原作にないエピソード大盛りで、見ていくうちに段々Firstの意味もわかってくる。First=上の世代。上の世代と下の世代を繋ぐ物語にもなってて、その仲間としての絆、さらには兄弟の絆に心がズタズタに締め付けられて泣いてしまう。わたしも絆欲しい…🥺

作画はOPに心撃ち抜かれた!!!!
井上雄彦先生が描いた生き生きと躍動する線の美しさ、楽しさかっこよさに鳥肌がぶわっーーて出てくる嬉しさに感動してた。
それに新海誠監督とは別のベクトルで美しさを極めた背景にも感動。沖縄行きたくなる🤤
試合シーンは3DCGの使用で、どうしても特有の"軽さ"は感じるけどそれを補って余りある重低音の効いたリアルな音が完全に場内を支配!
シューズのキュッキュッ鳴る音やボールが弾む音がまるで実際の試合会場に誘われたようで、臨場感抜群!
でもやっぱり1番最高の音はハイタッチの音だと思う。ハイタッチの音だけで泣けてくるからずるい…
あ、あと安西先生のたぷたぷが3DCGだとかなりのたぷたぷ具合だからたぶたぷ好きな人は必見!1番CGの恩恵受けてるw

SLAM DUNKはこれで終わりな気がする。どれだけヒットしてもSecondはない。これが心の隅っこでまだ『第二部』を信じてるファンへの回答なんだと思う。それはエヴァを待ち続けて「シンエヴァ」を見たファンと重なるものがあるのかもしれない。
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