煙草と甘いコーヒー

THE FIRST SLAM DUNKの煙草と甘いコーヒーのネタバレレビュー・内容・結末

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

井上雄彦、凄いな、、、

気負って、大袈裟だったり過剰になりそうな気もするのに、終始自制しているというか、演出に確固たる哲学を感じた。

宮城リョータ視点のシナリオ、音楽、モーションキャプチャーを使ったCG、、、

お見事!

ただ、漫画を読んでいない人たちにはどう見えているのかが気になった。

十代、二十代で漫画を何度も読んでいた自分にとっては、あの時の感動が映像化されているという感慨もひとしおで、懐かしさと当時の涙と彼らが違和感なく動いている(アニメは見ていない)という感動とで、何度も静かな涙が流れ出してくるという、人生で初めての種類の涙を経験していたのだが、漫画を読んでいない人たちにとっては山王戦にかける彼らの思いや、彼らの表情やセリフ、取った行動、それらが示す「彼ららしさ」を、そうそうこれこれ、といちいち浸りながら見る場合と、彼らに初対面な人が見るのとでは、まったく別物なのではないかなと。

山王戦の試合結果を知らずにこの映画を見れた人が、あの最後のシュートを目の当たりにした時の興奮は羨ましい限りなので、そう考えると漫画を読んでない人にもオススメの映画になるので、読んだ読んでないは関係ないという結論に。

この映画で彼らに初対面だった人は、漫画を読むと彼らの一挙手一投足にいちいち井上雄彦のニクさを感じられると思うので、是非とも漫画の一気読みを!

以下、後日追記

鑑賞後に色々と調べたという人に教えてもらったのだが、

何故、宮城リョータがNBAに行ったのか
何故、宮城リョータ視点だったのか
何故、THE FIRST なのか

CGの作り手たちに3ヶ月バスケをさせたとか、井上雄彦が小柄なバスケ選手を育てる活動をしてるとか、井上雄彦自身がどういうバスケット選手だったのか、はじめに集英社に持ち込んだ時の主人公は桜木花道ではなかった、などなど

そんな制作秘話的なことについて語り合う楽しみも、この映画は提供していることに気づかされた。