このレビューはネタバレを含みます
原作ファンでアニメは見てません。
正直な感想は、良い所もあれば微妙な所もあったので、テンション的には相殺されて、無の境地で劇場を出たという感じだった。
冒頭、リョータと兄の1on1の映像を見た時に、CG独特のヌルっとした動きが 人間の動きに見えなかったので、映画館に観に来たのはしくじったか?とテンションがまず下がる…
そして、そうか!リョータは沖縄出身なんだ!確かに名前が宮城…原作描いてる時からイメージしてた設定なんか?おお〜!!とテンションが上がる。
そして次の瞬間、父ちゃんの喪失で落ち込む母親が出てきて再び下がり…兄ちゃんも居なくなるフラグ立ちまくりで、更にドーンと下がる。
暗い、暗すぎる。
設定はいいんだが、見せ方がこれでもか!と暗すぎて…バガボンドの世界観を思い出す。
これは…今まで抱いていたスラダンのイメージと違うらしいぞ?と 真っ新な気持ちで作品を見る覚悟をここで決める。
映画は尺に限りがあるし、いいシーンを全部盛り込む必要はないと思っているので、その点ではみんなの期待にちゃんと応えてくれた内容に感じた。
山王との試合になると、CGの動きも気にならなくなり、バスケの見せ方が上手すぎてテンションが再びぶち上がる!
バスケ特有のスピード感は、漫画で見ていた時と遜色なく興奮して見れたと思う。
ただ、原作でじっくり良さを噛み締めてきた層としては、アニメの見せ方が勿体ない!と思わせる箇所が所々あり、やっぱアニメって難しいんやな〜と痛感する。
気になったのは、ギャグシーンの画の見せ方と間の取り方が、サーっと流れていく印象だったので、初見の人には伝わらないだろうなぁと感じた。
その点に関しては、声優さんも表現するのが難しかったんじゃないかなと想像します。
もしかしたら、ギャクシーンは原作ファンだけが気づけばいいと、敢えてそうしたのかもしれないけどね。
海外輸出をバリバリ意識してる感じもあったので、そこら辺の調整もあって原作ファンが諸手を上げて歓喜!という作品にはならなかったのかな?と憶測ですが感じました。
あとは、1番の違和感はリョータの母ちゃんの描写かな。なんか、妙にクールと言うか暗い…この人ホントにリョータの母ちゃんなのかな?と疑問。
彩子さんと母ちゃんは似てるはずなんすよ。
いや、似てなきゃダメなんすよ!
たぶん、、
父ちゃんがいなくなる前の母ちゃんは、彩子さんみたいに明るい人だったって言う設定なのかもしれないけど…
でもさ、彩子さんだったら2人の子供が居たら、あんなあからさまに暗い人にならないんじゃないかな?と思うんだよ。
それにさ、沖縄から東京に出てくるって、結構バイタリティないと出来ないはずなんだけど、あの母ちゃんからはそれを感じないのよね。
暗い時があってもいいんだけど、もっとメリハリが欲しかったな。
家の中が妹以外はずーっと暗いから。
母ちゃんのキャラ設定の違和感は、作品全体の説得力を落としてしまうから、勿体無く感じたんだよね。
それ以外はさ、すごく良かったんだよ。
ラストのアメリカで沢北と対峙してるリョーちんなんて、激アツで拳振り上げて、うぉーー!!!って叫びたくなるシーンのはずなんだよ。
あんなに暗くしなくて良かったんじゃないかなぁと…個人的な好みですが。
あと、中学生の時に出会ってたバスケ青年、ミッチーだったのね。
もしや?とは思ったんだけど、勘が鈍くて気づかなかった。
あそこは髪型や雰囲気を原作に寄せて欲しかったな。やさぐれる前のミッチーは違った意味でウザい奴だったからね。
あれは違う人だよね。
設定は激アツなんだけどね。