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アステロイド・シティのtoriten45のレビュー・感想・評価

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
3.1
仕掛け絵本や箱庭、ドールハウスのように現実離れしたウェス・アンダーソン式な世界観は好きです。ひとつひとつの場面や小道具に独特な美術センスとこだわりが感じられて楽しい。今回はレトロポップに描かれた1950年代アメリカにノスタルジーを感じて楽しむ映画かな。

私の中で独特な世界観を描く監督といえば、ジャン=ピエール・ジュネやティム・バートンが思い当たるところですが、本作のウェス・アンダーソンが一番安定している気がします。全部観たわけではないのでいまのところ…。

豪華キャストもウェス・アンダーソンならではの不思議な起用法で“いつものメンバー”に加えて一瞬しか登場しない有名俳優が多数でとても贅沢な感じ。マット・ディロンには「お!」ってなり、楽しみにしていたホン・チャウはチョイ役過ぎて「えっこの人?」てなり、ジェフ・ゴールドブラムに至ってはまったく気づきませんでした。

ストーリーは、隕石落下のクレーターぐらいしか名物がない、砂漠のど真ん中にあるのアステロイド・シティ。天才キッズが集まる科学コンテストと、そこで起こるさまざまなトラブルをコミカルに描く作品です。

劇中劇の多重構成になっていて、各構成を行ったり来たり。何やら練りに練っているような感じだけは伝わりました。この辺が頭の中で整理できないので、ストーリーはあってないようなものかなー、って気にもなります(ました)。でもユーモアセンスが高い作品とも思ったのでオーケーです。音楽も耳心地良かったです。

そして突然の北条時行にびっくり。ウェス・アンダーソンの日本オタクっぷりに、さすがって思いましたが、そもそもその方を存じ上げませんでした。
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