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夜の帳につつまれてのf分の1ゆらぎのレビュー・感想・評価

夜の帳につつまれて(2021年製作の映画)
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タイトルが示唆するとおり、主人公の青年と少年の旅を通して、社会の闇、不幸、抑圧や不条理の中で生きる人々を見つめようとする暖かい眼差しを感じました。
最後の主人公の死に対する引っかかりを覚えたのは、その恣意性なのかなと思いました。人生は恣意性に振り回される性質も持つものだけれど、クライマックスの演出がなされている部分(裕也の死や海斗の咆哮)が物語中盤の様々な出会いや出来事と結びつかない恣意的なものにも見えると、映画全体が持つまとまりやメッセージが薄まってしまうのかなと思いました。(勝手な意見なんですが)
咆哮のシーンと潮の満ち干きとの重ね合わせや、裕也と海斗が車で旅をしながら映し出される情景のポエジーがすごくきれいで、「感覚で撮った」と本人が言っていたけれど、素敵な感覚の持主だなあと感じるし、映画全体からしみじみ人間性を感じて心が暖まりました🙇‍♂️
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