真っ黒こげ太郎

呪術召喚/カンディシャの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

呪術召喚/カンディシャ(2020年製作の映画)
4.4
注意せよ、その眠れる、伝説に――――。

男しか、襲わない。

※今作はお色気ホラーではありません。
妖女の乳首は出ますが。w




高層団地地域に暮らす、アメリ、モルジャナ、ビントゥのティーンエイジャー女子3人。
今日も今日とて取り壊し予定の建物に集まり、スプレーアーティストに興じていた。

そんな中、脆くなった壁の中に「KANDISHA(カンディシャ)」の文字が。
アラブ出身のモルジャナによると、アイシャ・カンディシャはモロッコに伝わる妖女伝説で、召還すると復讐の為に男を襲い殺すという、恐ろしい伝説だった。

3人はその後解散したが、1人帰っていたアメリは帰り道に元カレに付きまとわれ、暴力を振るわれる。
怒りに震えるアメリは復讐の為に五芒星と共に名を唱え、アイシャ・カンディシャを呼び出してしまう。

それから、その元カレを始め、周囲の男達が次々と謎の変死を遂げる。
実は、アメリが呼び出したカンディシャは、一度呼び出されると復讐相手に留まらず周囲の6人の男を次々殺してゆく、とんでもない妖女だったのだ!!!

3人はカンディシャの呪いを鎮める為に右往左往するが…。




ティーンエイジャーの女子が、モロッコに伝わる妖女を呼び出してしまい、惨劇が巻き起こるオカルト・ホラー。
監督は「屋敷女」のジュリアン・モーリー氏&アレクサンドル・バスティロ氏のコンビ。

「屋敷女」の監督の他の作品は見てないけど、今作はグロもあるっぽいのでなんとなく鑑賞。
(他の作品は評価があまりよろしくないんですが、どうなんでしょうね?)


お話はとある女子が古くから伝わるヤバい存在の名前を唱えてしまった事から、惨劇が巻き起こるという「キャンディマン」みたいな…てか殆どがそのまんまなお話。
邦題は微妙に「呪術廻戦」に便乗してるっぽいが、これ新作の「キャンディマン」に便乗して出すつもりだったんじゃないの?w

ですが、妖女カンディシャの大暴れっぷりは中々豪快だし、特殊メイクのスプラッターも要所要所で光るので、私的に娯楽ホラーとしては続編の「キャンディマン」よりは楽しめたと思う。


内容は真っ当な内容のオカルトホラー。
主人公達の前にしょっちゅう悪霊が顔を出したり、主人公達が悪霊払おうとして右往左往したり、失敗してますますヤバい事になったりと、オカルトホラーのあるあるな展開がズラリ。

テンポはまぁ普通ぐらいだが、主人公達がヤバい儀式でお祓いに奮闘したり、妖女がグログロな殺戮を繰り広げたりと、見せ場は多くて飽きずに楽しめる。
ただ、男しか襲わないという都合上、主人公の女性達に危害が及ばないので、そこら辺の緊張感や怖さに欠けてるのは残念。
犠牲者の男性も最初の人以外は悪い人という訳でもないので、結構可哀想だったし。(特に女子の父親)

妖女カンディシャの殺し方は見事なまでの力任せで、ぶっちゃけスラッシャー映画の怪力巨漢殺人鬼とあんま変わらん(爆)。w
だが、その分力任せな殺しっぷりは豪快で良い。w
「屋敷女」程じゃないし、数はそこまで多くないけど、開放骨折や終盤での豪快過ぎる殺され方等、要所要所でナイスなゴア描写が拝めます。

ただ、それでも中盤でとある動物が殺されるシーンは流石にドン引き。
自分で呼び出したんだからどうにかしなきゃならんというのは分かるが、それでも流石にあれはやっちゃいかんと思う。


オチはまぁ、流石に予想できたかな。それしか解決方法なかったし、厳しく言っちゃえば因果応報なワケで。
でもラスト、あれじゃ「キャンディマン」まんますぎるだろ!w


登場人物の一部に感情移入しずらかったり、主人公側の所為で死者が出て居心地が悪いと感じる部分もありはしたが(それでも反省してる分やらかした事をド忘れするよりはましだが)、オカルトホラーやスプラッターホラーとしての見せ場はしっかりしてて結構楽しめました。

絵的には地味だし、フレンチスプラッターとしては弱いが、オカルトホラー好きならチェックしてみても良いんじゃないでしょうか。