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海炭市叙景のkamakurahのレビュー・感想・評価

海炭市叙景(2010年製作の映画)
3.5
佐藤泰志の小説主要作読了後に、配信鑑賞。作者への敬意を有しての映画化なんだろうけれど、描出すべき抒情に心得違いがある、というのが個人的印象。原作は生きてあることの実相を、数珠繋ぎのようにして季節感とともに描き出していて、もっと深い登場人物たちの内奥に裏打ちされている。残念ながら、映像は、そこまで踏み入っていない。佐藤泰志の小説世界は、映画になりそうで、実は、映画にはできない純然たる言語の時空なのだと思う。谷原美月と竹原ピストルによるエピソードでは、妹としての待ち続けた精神構造が全く伝わってこなかった。

#佐藤泰志#海炭市叙景
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