原作未読。
佐藤泰志原作映画を『オーバーフェンス』『そこのみにて光輝く』と観て抱いた強い「どこにもいけない」感。『海炭市叙景』を観ることでなぜそんなにも佐藤泰志原作映画では「どこにもいけない」感が強く迫ってくるのかが分かった。それは「ここしかない」を描いているからだ。積極的か否かの違いはあれど登場人物たちは皆、「ここしかない」という思いを持っている。ふたつの「ない」を描き出すことで、「どこにもいけない」人々の「どこにもいけない」感が強く残酷に迫ってくる。『海炭市叙景』は他の2作に比べて「ここしかない」がはっきりと描かれていた。
音楽がいいなあと思ったら、ジム・オルークだった。感情的になりすぎないけどなんらかの感情を刺激する音楽だった。
谷村美月、いいですね。