海炭市に住む人々の生活を描いた群像劇。(架空の地方都市だけど、どう見ても函館市。)
佐藤泰志原作の映画では1番好きです。
この映画の登場人物たちは、生きていくのに行き詰まった人達ばかり。不器用だけど前を見て生きていこうとするが、うまくいかない。みんなそういったことにどこか疲れを感じながら生きている。そして、陽はまた昇る。彼らのエピソードそれぞれに盛り上がりやドラマはないけど、彼らの生きる姿が痛烈で、見ていて引き込まれる。最後の方で登場人物たちが路面電車で会する場面は、彼らはどっかしらでこの今を生きているんだと感じてなぜか泣いてしまった。
地方都市の鬱屈した空気と相まって、寂寥感、絶望感が残る話ばかりだけど、最後は生きていこうと希望を持てました。味わい深い良い映画です。
竹原ピストルはいい演技しますね。彼の表情一つ一つに涙出そうになる。加瀬亮も素晴らしい。