赤ん坊を取り違えられた2人の母親の物語と、スペイン内戦の傷跡が結ばれる。
まず後者のテーマを予期していなかったこと、スペイン内戦へのリテラシーのなさ、性の奔放さや育児に関する価値観の違い、などなど、自分とリンクしない部分が多過ぎたのか、全く自分ゴト化できず…。
いや完全に自分が悪いんだけど、あらすじ的には『そして父になる』みたいな、「親はいかにして親か」的なテーマの映画かと思ってしまった。アルモドバルだし違うよね。
ただ興味深かったのは、母親の概念や役割について。スペインだと「産んだ人が偉い」みたいな感じなのだろうか…。日本ではどちらかというと「育てた人が偉い」だと思う。
これは良くも悪くもだけど、日本だと母親(父親も含む肉親)に子育ての負担が集中するけれど、本作の中では、母親の周辺の人間たち「みんなで」子育てをしている。
だから平気で1日ベビーシッターに預けてたりするんだけど、自分の感覚だと、子ども視点ではベビーシッターがお母さんみたいになっちゃうんじゃないのかなーとか思ったり。
うーん、そうすると「育てた人」はみんなになっちゃうから、だから唯一無二の「産んだ人」が1番偉いってことになるのかな。
この辺はまたアメリカとも違くて興味深い。