けんくり

パラレル・マザーズのけんくりのレビュー・感想・評価

パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)
3.0
赤ん坊を取り違えられた2人の母親の物語と、スペイン内戦の傷跡が結ばれる。

まず後者のテーマを予期していなかったこと、スペイン内戦へのリテラシーのなさ、性の奔放さや育児に関する価値観の違い、などなど、自分とリンクしない部分が多過ぎたのか、全く自分ゴト化できず…。

いや完全に自分が悪いんだけど、あらすじ的には『そして父になる』みたいな、「親はいかにして親か」的なテーマの映画かと思ってしまった。アルモドバルだし違うよね。

ただ興味深かったのは、母親の概念や役割について。スペインだと「産んだ人が偉い」みたいな感じなのだろうか…。日本ではどちらかというと「育てた人が偉い」だと思う。

これは良くも悪くもだけど、日本だと母親(父親も含む肉親)に子育ての負担が集中するけれど、本作の中では、母親の周辺の人間たち「みんなで」子育てをしている。

だから平気で1日ベビーシッターに預けてたりするんだけど、自分の感覚だと、子ども視点ではベビーシッターがお母さんみたいになっちゃうんじゃないのかなーとか思ったり。

うーん、そうすると「育てた人」はみんなになっちゃうから、だから唯一無二の「産んだ人」が1番偉いってことになるのかな。

この辺はまたアメリカとも違くて興味深い。