人を惹きつける力を持つ殺人鬼
信頼関係を築いてからジワジワ痛めつける殺人鬼
うんうん、なかなかタチが悪い。
面白い切り口の作品。
出てくる人出てくる人良い意味でなんか気持ち悪いんだよなぁ。
阿部サダヲが1番行動や言動に筋が通ってる。
あとの人はサイコパスサダヲに操られてるかのような不穏な行動。
これが気持ち悪い要因なのかも。
個人的にこれはちょっと上手くないなぁって感じたのは導入部分。
岡田くんが阿部サダヲに会いに行き、冤罪捜査を始めるまでの動機付けが弱い。
昔の知り合いだけど普通連続殺人犯から手紙もらって会いに行くかなぁ。
それなら手紙に「君の隠された真実を教えてあげる」くらいベタだけど気になる吹っかけ方のほうがしっくりくる。
取っ掛かりで不審な手紙に従っちゃうというのは「恐怖人形」と同じ。
この段階で「こいつアホだぞ」と思ってしまった。
でもこの導入部を過ぎればあとはめちゃくちゃ面白い。
次々と明らかになる繋がり。
知れば知るほど湧きあがる疑惑。
衝撃的な真実。
その真実を追求しすぎた結果、引くに引けない所まで来てしまった青年。
殺人犯に対し警戒心が足りてない事や警察など誰にも相談しない勝手な捜査などは置いといて、殺人犯の人物の描き方が本当に上手。
あと一貫した映像の不穏さを演出した画面の明るさ、色味、風景、アングルなど白石監督の作品は毎回俺の心にグッとくる魅力がある。
最後まで淡々と描かれていくのにこの高揚感。
最後の最後で「えっ!?」ってなるけどこれは飛躍しすぎというかちょっと伏兵すぎでしょ(笑)
色々言いましたが言いたくなるくらい好きな作品でした。
今後桜の花びらを見たらちょっと怯えると思う。