大学生の主人公は、24人もの少年少女を殺害し、死刑が確定している連続殺人鬼ハイムラから1通の手紙を受け取る。手紙には「罪は認めるが、最後の事件は冤罪だ。犯人は他にいることを証明してほしい」と書いてあった。ハイムラの願いを聞き入れ、主人公は事件を独自に調べ始めるが···。
ポスターの不気味な表情の阿部サダヲに惹かれて鑑賞。原作小説は未読。とにかく殺人犯ハイムラを演じる阿部サダヲの存在感が凄かったです。中盤までは数分しか登場しないのに、始終殺人犯ハイムラの存在を感じました。
邦画の割には容赦ないグロ描写でビックリ。韓国のノワール映画のようでした。
以下ネタバレあり
思い描く自分になれず、特質すべきこともない主人公が、ハイムラの頼みを聞くことで"選ばれた特別な人"になれた気になっている様子が哀れでした。同時にハイムラの人を掌握する能力の高さを感じました。
個人的には留置所の監視役の警官と殺人犯ハイムラが、話が進むごとに関係性が変わっていく所が恐ろしいなと思いました。
留置所でのガラス越しに会話する場面は非常に印象的でした。終盤のプロジェクターを使った演出や、ガラスを越えて主人公側までハイムラが来る演出は、演劇の舞台演出のようで興味深かったです。
ただ、終盤の留置所はひたすら物語の答え合わせをしている感じでやや間延びした印象を受けました。
2024-17