Mina

世の中にたえて桜のなかりせばのMinaのレビュー・感想・評価

3.2
「世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」

「人は自分のやってきたことに意味を見出したくなる」
就活をしている男性の言葉だ。人生の終わりが近づき、自分のやってきたことを振り返る。すると、何の意味があったのだろうかと思ってしまうことがある。だが、その時分はそんなことは考えずに、生きていただろう。そもそも、歳を取り、思い出せる時点で何かの意味があるような気がする。たとえそれが、利他的なことでなくてもそうだ。

この物語は就活をする人々と一人の女子高生が主軸である。対照的な関係であるが、お互いに刺激を受け合い、前に進む。
就活は後ろ向きなものではなく、前向きなものだと感じた。

授業中、生徒に無視され続け、遂に廊下で泣く先生のシーンは印象に残った。リアルな感情の現れであると思った。
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