シンタロー

ハワード・ザ・ダック 暗黒魔王の陰謀のシンタローのレビュー・感想・評価

2.8
宇宙の遥か彼方。そこは地球とそっくりだったが、一つ違うものがあった。それは住人が人間ではなく、言葉を話すダックだということ。ハワードは独身のサラリーダック。仕事から帰り、自宅でくつろいていると、突然大爆発。広大な宇宙空間に放り出されてしまったハワードが落ちてきた所は、アメリカのクリーブランド。人間に追いかけられ逃げ込んだ先で、ハワードはチンピラに絡まれていたビバリーという美女を救うことに…。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のお陰で再注目?を集めることになった80年代SF珍作。製作総指揮はなんとジョージ・ルーカス。「E.T.」「グレムリン」「ゴーストバスターズ」等の大ヒットから、作中のキャラが人気を集めていた背景があり、ハワードも人気キャラにしてやろうという狙いがあったのか?しかし「スター・ウォーズ」級を期待したファンをがっかりさせたようで、大コケ、大赤字となってしまい、ルーカスには触れられたくない黒歴史となってしまいました。あのラジー賞でも作品賞をはじめ4部門で受賞しております。
主演のリー・トンプソンが絶大な人気だったせいでしょうか。日本公開時そんな扱いはなく、同時上映のトム・ハンクス主演「マネー・ピット」よりこっちがメインだったように記憶しております。すごくバカバカしくて能天気な映画だけど、私的には嫌いじゃないです。ただ、肝心のハワードというキャラが、ドナルドダックとは比べ物にならないくらい愛らしさがなくて、明らかに子供ウケしないです。かと言って、大人ウケするような皮肉の効いたユニークなキャラにも描かれていないのがちょっと残念でした。ラスボスもルーカスの世界観とは思えないくらい、気持ち悪くて安っぽかったです。
ヒロインのビバリー役にリー・トンプソン。日本の洋画界にも確実に80年代アイドルブーム的なものがあって、当時の彼女は間違いなく先頭グループにいたと思います。BTTFという代表作に続けなかったのは残念ですが、「ストリート・オブ・ファイヤー」のダイアン・レインを意識したかのようなロックシンガー役で、ちょっとしたお色気シーンもあり、ファンには大満足だったのでは。後にオスカー俳優となる名優ティム・ロビンスが、なんとラジー賞候補になっておりました。コミカルな芝居が少し滑り気味ですが、そんなに悪くないと思います。私の愛作「フェリスはある朝突然に」の校長先生でおなじみのジェフリー・ジョーンズがとんでもないことをやらされてて、笑えるというよりちょっと可哀想でした。
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