ぐち

ナチス・バスターズのぐちのネタバレレビュー・内容・結末

ナチス・バスターズ(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

コンパクトな尺で見せたいものがわかりやすい、というか取捨選択が的確なのかな、あれもこれもとドラマを欲張りすぎてないのがよかった。予算の関係もあるだろうけど。
多分一番やりたかったのは「ロシアの雪原で西部劇!」なんだろうな😂

なのにキャラはヴィラン含めて全員立ってるし、戦争ものだとすぐにキャラを見分けられなくなる私にも、性格も外見もわかりやすかった。
ロシア側のキャラみんな良かったなー!
特に中尉と酒飲みくん。最後そんな感じになるとは…
ヴィラン側にも奥行があり、その奥行きも単に敵側に同情させるような物じゃないのも良かったな。人間臭いというか。SS大尉はロシアの文化に造詣が深いけどロシア人に共感してるかといえばそうでは無く、対等とは決して思ってない感じがサイコパスみが出てるし。
大尉と大尉を保護?する国防軍の将校もなんかありそうだったよね。会話のやり取りでわかるのが良い。国防軍の彼は大尉のこと嫌いそうだな〜国防軍はssと仲悪かったもんな。

小さく纏まってるといえばそうなんだけど、物語の作り方が上手いんだと思う。
要所要所の小ネタにもきっちり「前振り」と「回収」をしていて丁寧だし気持ちいい
ちゃんと前振りがある。
フランス人ドイツ人ロシア人の小話とか(お喋りすぎてうるせぇって言ってた中尉が出産シーンで何か喋れって言うのいいよねw)、モブドイツ兵が民家でくすねてた酒とか、食べ物に毒とか、ブラウン大尉が最後に刺された鎌も初めの方で全裸で銃を引き寄せようとしてレッドゴーストに打たれてたやつだよね。

戦争映画には珍しく(多分)彩度高めで突き抜けて明るい(晴れてる!)画面も良かったな。ロシア農村部の冬の戦場なのに画面の色が綺麗だった。冒頭の煌めく雪景色の輝きもキレー…

意図してジョークにしてるのか真面目なのか分かりにくい独特の間の抜けたテンポも好き 。
監督はタランティーノからの影響を公言してるけど、バイオレンス描写だけじゃなかてこの辺もなのかな。

音楽や展開があまりに西部劇だったから、クライマックスで大尉と幽霊が対峙したとこで「決闘だーーーー!!!」てぶち上がったけど直後に殴り合ってて「肉弾戦だーーーーwwww」て笑ってしまった
いやでも20世紀の戦争中に早撃ちで決闘してた方が笑うわ。何やってんねんってなるわ。銃もあれだし…そりゃ肉弾戦になる

最後、コンスタンティンはレッドゴーストを「継いだ」ってことなのかな。継いだというか、誰も自分からレッドゴーストとは名乗ってないしそのつもりもないけど複数の名もなきパルチザンがそれぞれそう呼ばれてた的な…
レッドゴーストは実話がベースみたいだけど、一人の超人的なヒーローがいたっていうよりその方が現実的だし、映画のテーマ的にも合ってるね
名も無き戦士達に捧げる
レッドゴーストたちの(そういう意味ではバスター「ズ」なのか…?)個人的なドラマを掘り下げ過ぎないのもそういう意味では効果的だったかも。
ぐち

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