Pivotetsu

ある男のPivotetsuのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
4.2
めちゃめちゃ良かった。超上質なミステリーの皮を被った傑作。

Filmarksさんの試写会でひと足お先に鑑賞させて頂きました。
原作未読で正解。最後までどこに着地するか分からないスリルと、それぞれの登場人物の背景が分かる度に揺さぶられていく感覚がとても良かった。

豪華なキャスト陣はみんな素晴らしかった。
主演の妻夫木が出てくるまで30分かかるという大胆な構成にビックリしたけれど、城戸の内面を体現していてとても良かった。

安藤サクラも母親役が相変わらずハマっていて、好感持てたし、監督も言っていたけど子役との絡みが最高の空気感だった。

窪田正孝はとにかく凄いと感じた。個人的には今まで観た中でベスト級の演技だったと思う。感情の表現だけでなく、呼吸までも操れるのかと。

清野菜々始め仲野大賀もまさにその人が生きていて、どんな人生を送っていたのかを考えてしまう説得力だし、柄本明の誰もが印象に残る怪演も良かった。あときたろうとでんでんが出てきたら大体傑作って思わせちゃう安定感。

人って周りが作っていく部分もあるし、元から決まってしまっている部分もあるから、逃げ出したくても逃げ出せない。どんな手を使ってでも逃げ出したくなる人はいる。どうか彼のこの先が幸せであればと思う。
Pivotetsu

Pivotetsu