このレビューはネタバレを含みます
一緒にいてくれた人の過去なんて気にする必要ある？と始めの段階で思ってしまったので、なかなかその後に感情移入できなかったのだけれど、多分この映画の本質は、城戸弁護士にある。柄本明と対峙するシーン。
みんな偏見を持っているし、人を見下してはいないか？
在日だとか、犯罪歴があるとか、不細工だとか貧乏だとか、頭が悪いとか、頭が良いから変人だとか、金持ちだから人の気持ちが分からないとか、若いからとか年寄りだからとか。
あなたはどうですか、あなたはなぜ人を見下すのですか、と問われている映画な気がする。
あと、自分は何者なのか？というアイデンティティの問題。
浮気しそうだなこの奥さん、と思ったらやっぱり浮気した。
人を上部だけで判断して、都合の良いように付き合う。
対して大祐夫婦はお互いの傷を庇いながら、ありのままを受け入れ、愛し合っていた。
「千夜、一夜」のように、姿を消されたら知りたくなる理由も分かるが、自分のそばに居てくれた人の過去なんて、その人が戸籍上誰かなんて、その人のことを知るための参考程度にはなっても本質的な問題じゃない。
