外国人差別、在日差別、加害者家族への差別など現代社会の問題が描かれている。しかしながら、この話を見て感じたのは決してそれにフォーカスした話ではなく、誰しもが感じる生きづらさを城戸を通して描いているだけで、「ある男」の物語でしかないのかもしれないと感じた。
複製禁止の絵画で始まり、そこに城戸を重ねたカットで終わったことも重要であると感じた。りえが言うように、そこに居たのは谷口であり、谷口という存在を愛したことは紛れもない事実だった。戸籍などを変えたとしても、自らが複製される訳では無い。「自分」を保つことが自分が他に認められる上でも重要なことだったのであり、そこに城戸が立つことが、視聴者に対するメッセージとなるのだと思う。