shimalucky

パーフェクト・ノーマル・ファミリーのshimaluckyのレビュー・感想・評価

4.0
トランスジェンダーのテーマを11歳の女の子の目線から描く、監督の実体験をもとに描いた作品。

父親が突然女性になる宣言をする!ホルモン注射や性適合手術を受け、女性になっていく父親を受け入れられない女の子、周囲の偏見、両親の離婚、自分自身の偏見、90年代のデンマークにおいては簡単に受け入れるという方が不自然だ。LGBTQがメジャーになっている現在でも、未だ社会に受け入れられているとは言い難い。
私自身も同時期に親しい友人からゲイ告白された。彼の兄弟2人もゲイだったので、自分自身を受け入れるのに抵抗はなかったようだけど、今後どう付き合っていったらいいのか、戸惑った経験がある。
ラスト、受け入れられない娘に父親が下す決断は当時の子供にとってはショック極まりなかったろうが、現在の視点で見るとベストな選択だったと思う。性転換した元父親にとっても、新天地として選んだ先は地元に残るより生きやすかったはず。(当時、ロンドンに住んでいたので、自由な空気感を思い出した)
音楽、ブリトニーに夢中な姉、ファッション、細かな演出で時代感を上手く表現、茶化すわけでもなく、主人公心情の変化を丁寧に描くいい映画だった。
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