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さがすのttrrのネタバレレビュー・内容・結末

さがす(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

楓の後先考えない行動や、とってつけたような家族愛・恋愛に若干不安を覚えたが、時間が3か月前にさかのぼるあたりでじわじわと面白くなっていった。

監督の長編映画「岬の兄妹」では、過酷な中でのユーモラスな描写が好みだったが、今作でもそれは健在。
殺人犯と知らずにかくまう田舎の世話焼きなおじいさんが、平然とした顔でアダルトビデオを勧めてくるシーンがある。
人の好さそうなおじいさんが、熱心なコレクターであることに意外性があり笑えるのだが、直後に殺して自慰のネタにするという猟奇的な展開は、笑っていいのか恐れていいのかよくわからない気持ちになった。
また、車椅子の自殺志願者の言動も興味深い。言いたいことを率直に述べ、とうてい自殺しそうにないのに、原田に殺しを請う姿には真実味を感じた。
恐怖(死)と笑い(日常)が交差する作風と、捻りの効いたプロットのおかげで、物語の着地点がはっきりせず、非常にスリリングだった。

個人的に「おっ」となったのが、楓がショッピングチャネルをぼんやり見ていて、次のカットでテレビが消えるシーン。
眠りにつくために楓が消したように見えるのだが、実はこっそり帰ってきた父が消したというのが、凝った演出だなと思った。
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