原田智は、中学生の娘・楓と大阪の下町で暮らしていた。ある日、彼は娘に「指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」と話し、その翌朝突然姿を消す。警察は捜索してくれず、楓は自分の力で父を捜す事に…。
『岬の兄妹』片山監督の商業デビュー作。
『岬の兄妹』は、テイストは好みだったんだけど、設定のベースが非現実的でリアルさを感じられず個人的には低評価でしたが、本作はドストライク過ぎて二回観てしまいました！
人物描写がもっと深かったらな～と、少しだけ物足りなさも感じたけど、まず一番良かったのはキャスティング👏✨この作品にこのキャスティングは最強だった！
佐藤二朗のどこにでもいるフラットな中年のおっさん感。めちゃくちゃ地味なんだけど、これこれ！この佐藤二朗が観たかったのよ！って何度も唸らせる演技力。正に演技派。ナチュラルなのにメリハリがあって、ぐいぐいとストーリーに引き込んでくれました。ありがとう。
娘役の伊藤蒼ちゃん。お願いだから走らないでー！と『空白』を思い起こさせるワンシーンから始まったけど笑 関西弁もめちゃくちゃ良かったし、文句なし満点でした🥺演技は抜群に上手いし、可愛い。少女感、ピュアさ、透明感、落ち着いた感じもあり、普通っぽい可愛さが際立つというか…めちゃくちゃ応援したくなる感じ。好きになっちゃう。好きになっちゃった！
そして清水尋也！さいっっっこうだね！サイコパス好きの私にどハマりしました。この前までやってたドラマ『となりのチカラ』にも出てたけど、演技上手いから、なんでこんなの（失礼🙇♀️）に出てるの…と思ってたけど…。凄いわ。どんな役でも出来そう。お顔も綺麗だし、高身長で体型もモデルみたいなのに…こんな虚ろで死んだような目でこんな役出来ちゃうのね…！とっても気持ち悪かったです。（良い意味で）
主要キャスト3人、演技も凄くバランスが取れていたので、ストーリーにのめり込む事が出来たし、肝心のストーリーも、内容は重いけど、エンタメ性が高い仕上がりで、予想を覆して行ってくれるので、めちゃくちゃ攻めのカウンターを喰らった気分になりました👊
座間9人殺害事件やＡＬＳ嘱託殺人など、色々な事件を題材にしているのも観ていて分かるので、時折想像と相まってゾッとしますが、観やすい作品になってましたね。伏線回収も綺麗。
逆に次回は、こういったテイストのまま、もっとぐちゃっとした作品が観たいな～と思いました。
2022-184
