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ムクドリのkuuのレビュー・感想・評価

ムクドリ(2021年製作の映画)
3.4
『ムクドリ』
原題The Starling.
製作年2021年。上映時間104分。

メリッサ・マッカーシー主演によるシリアスなヒューマンドラマ(メリッサ・マッカーシー故のクスッと笑えるとこアリ)。
メガホンを取るのは『ドリーム』などのセオドア・メルフィ。
『15年後のラブソング』などのクリス・オダウド、『ラストベガス』などのケヴィン・クライン、『クレイジーズ』などのティモシー・オリファントのほか、ダヴィード・ディグス、スカイラー・ギソンド、ローラ・ハリアーらが出演。

幸せな生活が始まるはずやったが、しかし、それは早々に終わっちまう。
愛する命を失ったひとりの女子は失意の中で静かな家に佇むしかない。
心を閉ざした夫は病院に行ってしまい、彼女にできることは何もない。
そんなとき、家の庭を片付けていると1羽の鳥が邪魔をしてくる。
その攻撃的な鳥と戦う日々をきっかけに、自らの抱える悲しみ、そして前に進めずに苦しむ夫と向き合う心の整理をつけていくことに。。。

子供が亡くなった後、その親が人生を取り戻そうとする物語を読んだり見たりしたとき、子有り無し、既婚未婚問わずに一般的に共感できる痛感出来るものやと思います。 
今作品には子を失った親の
悲しみ方や、
それに伴う罪悪感、
恨み、
混乱が、
最も団結しなければならない時に、夫婦を分断してしまうこととか、
メチャクチャ共感できるテーマが含まれてる。
せや、小生はひねくれてる故にか、今は泪を欲してないからか、今作品の脚本は気まぐれに、心を揺さぶることに必死になりすぎてて、より有効な状況や感情を損なっているように感じた。
感じたら余計に覚め始めた。
勿論、小生は主人公リリーとジャックに共感したいと思う。
リリーはスーパーで働く女子で、家(彼女が相続したイカしたカントリーハウス)を守っとるし、
ジャックは小学校の先生で、手に負えない鬱病のために精神病院で治療を受けてる。
マッカーシーとクラインのシーンだけは作中で真実味を帯びている。
せや、これは二人の自然な相性の良さと彼ら自身の持ち味によって悲壮感を和らげつつ深くさせてるにも関わらず、本来、涙腺弱しこはずが哭けなかった。
サッカーのヘルメットをかぶって草むしりをしたり、鳥のエサ箱に毒入りのペレットを入れたりと鳥のいたずらを誘発されて、それに反応するかわいそうなリリーを笑えと云うことなんかなぁ。  
真の意味でのキャラの深さや真の意味での感情の分解もなく、泣きの一手で攻められても、そないな気分に酔得れるコンディションなら号泣したかもしれませんが、今日は無理でした。 
ただ、鳥が繋いでくれた夫婦の絆と、心が離れてしまった夫婦の再起、
そして美しい映像やら、なんと云っもマッカーシーとクリス・オダウドちゅう類まれな魅力を持った俳優の演技はやはり演出がどうあれ巧いと思ったし、最後は心が温まるような感動のラストはプチ心が動きましたよ。
きっと泪を欲してる時に見たら違う気持ちで観れたのかなぁと思います。
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