コマミー

幻滅のコマミーのレビュー・感想・評価

幻滅(2021年製作の映画)
3.8
【常に悪人が上り詰める】


※fans voice様のオンライン試写会での鑑賞




ジャック・リベット監督の「美しき諍い女」の原作者で知られる"オノレ・ド・バルザック"の小説「幻滅 メディア戦記」を、「偉大なるマルグリット」の"グザヴィエ・ジャノリ"監督が映画化したものだ。

まず鑑賞した感想として、これは日本の若者も観るべき、1人の若者の"世渡り物語"だなと感じた。イメージとして、私は最初雰囲気からして「華麗なるギャツビー」を思わせたのだが、中身を開けたら詩人版の「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」であった。
いわゆる、1人の世間知らずな若者の"慢心による成功"から"欲に塗れすぎて失敗し、幻滅"するまでを描いた、"栄枯盛衰"の物語であった事だ。
欲に塗れすぎるとどうなるかが分かる"教訓的"な内容も入ってたし、当時いわゆる"19世紀フランス"の豪華絢爛ぶりも見ることができる、まさによりどりみどりな内容となっていた。

主人公"リュシアン"を演じた"バンジャマン・ボワザン"の"凛々しい顔"を利用した演技がとてもリュシアン自身の"光と影"をよく見分けられる事ができ良かった。
それに、リュシアンと対照的な存在である"ナタン"を演じた皆さんご存知"グザヴィエ・ドラン"の存在感も半端なかった。リュシアンを付け狙う"エティエンヌ"を演じた"バンサン・ラコスト"の演技も良かった。

とにかく物語の背景もキャストもとても豪華なので、それだけでも観る価値はあると思う。それに、人生の教訓的なのも凄い描かれていたので、若者の人生の勉強の道具としてもピッタリな"セザール賞"受賞作であった。
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