イベリー子豚

フリークスアウトのイベリー子豚のレビュー・感想・評価

フリークスアウト(2021年製作の映画)
3.5
「6本指ピアノの荘厳な音楽や」
「長回しとハイスピードの肉体派アクション」
「市街地や民間人を巻き込んだ緊迫の戦争シーン等の映像パワーを」
「下半身脳、幼稚、キレやすい」
「という」
「(悪い意味で)全員【ジローラモ】なキャラクター像が足を引っ張る」
「史実踏襲型マニアック異能バトル映画」
「ヒトラーのスマホ」
「デカすぎ包茎おちんぽあん」
「《あれこそ私のファンタスティック・フォーだ》」
「予知夢?エンドロール……ってか画力が
本編と違いすぎぃ!!!
まぁ、オマケもないし続編も……ね」



決して、面白くない……ワケじゃない。


電気(エネルギー?)少女、アルビノ蟲師、
磁力手コキ小人 featuring.博学チューバッカ。

メンバーのバラエティーに富んで新鮮。

ラスボスも「ヒトラーに陶酔するも
終結の未来を予知して絶望と野心を滾らせる
コンプレックス弟君」というシビれる人選。


……なのに何故?
なぜ、こんなにイライラとしてしまうの??


まず
無能ムーヴが多すぎます。

「覚醒」以前に
全員がソコソコ真面目に実力発揮していたら
トータルでも民間人の犠牲は10分の1以下だったはず。

クレバーな奴もバランサーも……1人も
おらへんのです。

オールウェイズ・行き当たりばったり。

飛んで火に入るサマー・バグ。

伏線回収なんてあったもんじゃありません。


特に主人公(?)。

このヒロインの
「私は誰も傷つけたくないのよぉ!」のせいで
何人死んでんのよ。

ブラック・ジョークなの?そういうお笑い??

トラウマだとかは知らんけど
これが許されるのは
ヒトケタ・エイジの幼女まで、でしょ。



そして国民性。

ゲーセワ要素が本編のジャマしてるじゃない。

そりゃサーカスなんて妖しくて耽美で
衣装がカットアウトな方が良いに決まってますけども!!

獣人バックや回転おチンチンは誰得なんよ。

そういうオカルトが観たかったんちゃいますわ。


しかも、これらの要素が
「フランツの狂気」を薄めちゃってんの。

12本の指。冷酷無比。マッドでサディスト。
目的の為ならどんな犠牲も厭わないハイル・ヒットラー。

その恐ろしさ、サイコパスぶりが
大幅下方修正ですよ。

あと……なんでドジっ子にしちゃったの??

ラストなんて「名前連呼しながらスキップ」よ?
あなたはハイジなんですか。



で、肝心のサーカス。

今回、「サーカス」という舞台装置がそこまで
真価を発揮しておまへんがな。

まず衣装。
全然、トキメキません。

『ベネシア・フレシア』の爪のアカ……いや
クチバシの先端を飲ませたいですね。

最強ルッキズム軍団ならいざ知らず、
単純ビジュアルが残念なら
コスチュームは最優先事項でしょ??

それに
異能以外の「ショーならでは」や連携技が
全くない。

サーカスなんて団体行動ニキだろ!
チームプレーで魅せてくれよ!!!


だから「ロビン・フッド」自警団も
イマイチ、必然性が感じられないんだよ。

信頼関係が出来てないんだもん。

隙あらば
『スター・ウォーズ』オマージュすりゃええって
もんじゃないんですわ。


どんだけ『鋼鉄ジーグ』が好きなのかは
存じ上げませんけども
「【永井豪】離れ」しない限り
この監督にヒーロー映画は無理じゃないかしら。


折角、アイデアは素晴らしいのに
いつも道具と調理法で台無しにしてんだよな。



《戦争に勝者はいないわ。みんな敗者よ》