いなせなマホ

パワー・オブ・ザ・ドッグのいなせなマホのレビュー・感想・評価

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
4.0
レビューno.6:
エターナルズを観たとき、知的生命体の数を増やし、その数が増えることによって、新たな宇宙が生まれる世界観の中に、その世界観を司っている神がLGBTを作ることにストーリーとしての違和感を俺は感じずにいられなかったが、

(俺はLGBTが問題だと言っているのではない。007でQがゲイであることになんの違和感もないし、昨日何食べた?も好きなドラマだ。エターナルズはストーリーの文脈としておかしいと思っているというだけ)

それがさも当然の世の中で、ここまで漢、おとこ、男、オトコとは、というマッチョイムズを全面に出してきたことにびっくりした。

そしてそんな話かなと思っていたら、アンタもかい!!っていうツッコミをしたくなる流れからの、ここまでこいつは狙ってたのか!!!!という衝撃に至るまで、とても楽しい映画だった。

原作を読んでないし、読む気もないけど、なぜいい大人が広い豪邸で男二人がダブルベットで寝ていたのか、つまりこの家庭内では、それは公然の事実だったのか、そんな苦痛から逃げるために弟は未亡人と結婚し、そして兄は弟の嫁を忌み嫌うようになったのか。

未亡人の息子を最初バカにしていたのも、自分はゲイではないということをアピールしたいための強がりで、痴漢冤罪防止メンバーが実は痴漢常習者だった事実があるように、後からバレると一番恥ずかしい対応をしてしまっていたのか。

ゲイに見える男はそれはそれで苦しい時代だっただろうけども、本当はゲイなのに、ゲイに見えないマッチョな男は、マッチョマンたるその期待に応えるために、必要以上に強がって生きていかなければ辛さをもこの映画は描いていたように思う。とても面白い映画ではあったが、心に残る映画かといわれると、たぶん2か月後にはどんな内容か覚えていないと思う。
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