設定が1920年代なので、今からおよそ100年前のアメリカのモンタナ州が舞台ということで、ひとの価値基準なんかは今と全然違うわけですね。
で、その時代の男を象徴するような人物をベネディクト・カンバーバッチが演じているわけですが、さすがですね。演技力が高いのはもちろんだけど、完璧に役になりきってるもんね。そして何と言ってもこのひとは声が良い。
これは2022年のアカデミー賞で主演男優賞受賞の可能性も高いでしょう(少なくともノミネートはされるでしょう)
あの粗暴な振る舞いの裏に隠された彼の背景はなんとなく序盤から感じ取っていたけど、中盤ではっきりしたあたりから、なるほど今作られるべき作品だ、と感じました。
ラストの解釈によって評価が変わる、若しくは分かれる展開は作品全体に無駄がなく引き込まれました。