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パワー・オブ・ザ・ドッグのmakoのレビュー・感想・評価

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
4.0
◎80点

Netflix作品ですが、アカデミー賞でノミネートされたので上映され、劇場鑑賞できました。
第94回アカデミー賞で本作は最多ノミネート(12部門)され、監督賞を受賞🏅

タイトルの『パワー・オブ・ザ・ドッグ』とは、旧約聖書「詩篇22」から引用されているそうです。
「剣と犬の力から、私の魂を解放したまえ」
犬は邪悪なものという意味だそうです。

観ている間、鑑賞直後はそこまで良いとは思わなかったけど、タイトルの意味を考え、後半の展開、終盤を思い返していたらジワジワ評価が上がりました。

舞台は1925年。牧場主のフィルと弟のジェシーは、ローズと息子のピーターと出会う。フィルとピーターの出会いは最悪だったが、のちにジェシーはローズと結婚する。

フィルはマッチョイズムで、のちにそれが悲劇を生む。
マッチョイズムとは、男らしさを重んじる思想、男性優位主義。(間違ってたらご指摘お願いしますm(_ _)m)

フィルはピーターの中性的な言動を蔑むがそれにはある秘密が。
劇中で直接的な描写はないものの想像はつく。
だからこそ、ピーターに対して過度に嫌悪を募らせる。

ピーターにしてみれば堪ったものではなく、ピーターもまたフィルに嫌悪を募らせる。

そして、後半の展開がまさにタイトルとおり。
思いはすれ違い、やがて悲劇が。
なんとも言えない、やるせない。

雄大な風景、音楽の使い方、キャスト陣の演技、素晴らしかった。
重厚な作品でした。

※追記
フィルはピーターだけじゃなく、ローズにも高圧的な態度を取り続ける。これも悲劇の一因になっている。




観客 1階席 2人+?、2階席 3人
字幕翻訳: 牧野琴子
劇場鑑賞 #32
2022 #39
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