ロアー

パワー・オブ・ザ・ドッグのロアーのレビュー・感想・評価

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
4.1
配信当初から早速観る気満々で意気込んでいたにも関わらず、実際はかなり寝かせてしまったんですけど、何故か日曜日の夜中の12時過ぎに「今がその時だ」と思い立って観ました。

うんうん、大好きです。こーゆー説明し過ぎない余白多めの映画。
”粗野なカウボーイ”というベネにしては珍しい役だなぁとは思ってたんだけど、最終的には"粗野な拗らせ未亡人の小姑カウボーイ"という肩書きで私の脳内にインプットされたので、そういう複雑な内面の役はベネお得意だからね。

ずっと敵対心剥き出しだったあの目も武装かと思えば許せ・・・ないな。
キルスティンの立場からしたら「刺し殺してやりたい」としか思えないネチネチした嫌がらせ野郎だし、息子絡みに関しては母親の勘みたいなのが働いて気が狂いそうになるもの納得です。

このキルスティンの息子役の子も、どっから見つけてきた?って感じにめちゃくちゃハマり役過ぎていろんな意味で恐ろしい子でした。煙草のシーンなんて雰囲気あり過ぎて思わず発狂するかと思った。(後から「ザ・ロード」でヴィゴの息子役だったあの子どもだと知って、時の流れの速さ的な意味でも怖くなってるんだけど・・・)

ネタバレになってしまうので多く語れないものの「ん?」と思っていたアレとアレとアレとアレが繋がってしまうと気づいた瞬間「え〜嘘でしょ!?そういうこと?ダメダメやめてやめて〜・・・ああ・・・あかん・・・終わった・・・」と叫んで夜中の3時頃に絶望してました。

う〜ん、あかんけど好き。こーゆーラスト全然好き。
静かながらも衝撃的で余韻が残るラストが良かったし、大自然の無情な美しさも素晴らしい映画でした。

あ、美しいと言えばあの布のシーンのベネもエロ美しかったね。ジェーン・カンピオン監督って絶対知ってる名前〜と思ったら「ブライト・スター」の監督だったので、そりゃ美しい映画撮る筈だと納得しました。

思い起こされるシーンはたくさんある筈なのに、この感想を書きながらベネがベネ尻丸出しで「あっち行け〜!」って全裸で走るシーンばかり脳内再生されていることを最後に書き記して感想終わります。
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