オーシャン小林

洞窟のオーシャン小林のレビュー・感想・評価

洞窟(2021年製作の映画)
3.0
TIFFにて。ヴェネチア入賞作品らしいので。
洞窟研究を映画にし更にそれを見た事のない画で表現するという着想は面白いし、その意味で言えば期待を裏切らない高いクオリティの映像が観れて良かった。
セリフが用意されていないことで過酷であろう環境の中で熱意に突き動かされる研究者達の荒い呼吸や、それに相対する自然の時に穏やかで時に荘厳な空気感や風景にリアリティを感じることが出来る。
ただ内容的には特に物語がある訳でもないため、映画を観るというよりは映像を観せられるというイメージで、観る人の想像力と感性にだいぶ委ねられている印象は受けた。
都市の人々、自然と生きる牛飼い達、そして自然に踏み入ろうとする調査団
それぞれの営みを眺めながら、人類がこの世界を明らかにしてきた長く険しい道のりに思いを馳せる。