KnightsofOdessa

アメリカ・ラティーナのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

アメリカ・ラティーナ(2021年製作の映画)
2.0
[イタリア、郊外に暮らす歯科医の幻想]  40点

2021年ヴェネツィア映画祭コンペ部門出品作品。"新作に関しては基本的に本垢に載せる"を信条としているが、ディノチェンツォの前作『悪の寓話』はどの要素を取っても凡庸で、取り立てて書くことがなかったのでサブ垢に回したことを思い出した(本垢で書いてないので観たことすら忘れてた)。脚本家出身というキャリアのはずだが、脚本の甘い部分を音響とか映像で押し切ろうとしてて不思議な気分になった。脚本家出身監督の作品って、脚本"は"面白い、というのがスタートな気がする(ソーキンとか)けどなあ。しかし、映像表現も小手先という感じで、押し切るほどの強度もないので、全体がボンヤリしている(ほぼ忘れたが、多分前作よりは映像とか音響は上手くなってるはず)。被写界深度の浅い会話、長回し(少女発見直後のが印象的)、少女の口から漏れる嗚咽、水没したブーツを踏みしめるグチョグチョした音など、要素としては確かに良いものもあるが突き抜けるものではなく、全体としても勿体ぶってて退屈。とボロクソ言いつつ、今回下手くそだっただけで、あと2本くらいしたら化物になってる可能性も否定できないポテンシャルは感じる。

去年のヴェネツィアはなんだか微妙だなという印象を持っていたが、よくよく整理してみたら約半分の作品に4点以上付けてたのでそうでもないようだ。ジャノリとマトゥシンスキが理不尽に長いのがいけないんだよ…
KnightsofOdessa

KnightsofOdessa