べし酒

コンペティションのべし酒のネタバレレビュー・内容・結末

コンペティション(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

冒頭はやや退屈に感じたが、リハーサルが始まってからは楽しく。

典型的なスター気取りで軽薄さ全開のフェリックス。芸術家気取りの舞台俳優のイバンはスノッブさ丸出し。天才監督と呼ばれるローラの演出というか演技指導も度を越し常軌を逸したやり方という描写で、当然カリカチュアライズされている人物像に笑う。
そこには映画界や映画批評といったものへの俯瞰したメタファも込められているようだけど、自分にはあまり捉えることが出来ず。

クレーンで吊り上げた巨石に始まり、他人の思いを無視した自己中エクササイズからの病身余命宣言。受けてからの誉め殺しといった三つ巴の丁々発止が楽しくて、終盤前の少し重めな転にも不謹慎ながら笑ってしまった。

それだから、ちょっと真面目なラストカットの意味合いが良く分からずで少しモヤモヤ。
ローラはフェリックスのした事を察していながら、あの映画を作り上げた様にも思えたんだけど、どうなのかな…

ラストシーンからの先がどうなったかを見たかったな。そこに製作者の意図はないのだろうけど。
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