福福吉吉

アビエイターの福福吉吉のレビュー・感想・評価

アビエイター(2004年製作の映画)
4.0
◆あらすじ◆
ハワード・ヒューズは莫大な財産をもって航空アクション映画を製作し、大成功を収める。映画界で成功を収めるハワードは飛行家としても数々の挑戦を行い、飛行機事業に手を伸ばし始める。しかし、ハワードの留まることのない野望が彼の人生を狂わせていく。

◆感想◆
実在の大富豪、ハワード・ヒューズの半生を描いた作品であり、彼のどこまでも自信家で実行力に満ちた姿とその裏側で女性関係のスキャンダル、異常なまでの潔癖症から精神的な耗弱など裏表容赦なくレオナルド・ディカプリオがハワードを演じきっていて、狂っているんじゃないのかと思えるほど誰にも真似のできない半生が興味を惹きました。

ハワード・ヒューズは父から受け継いだ遺産を惜しみなく使い、映画制作をする姿が序盤に描かれて、そのときから彼の理想に対する徹底ぶりと全てを金で解決する傲慢さが出ていて、やはり普通の人ではないと思わせる姿でした。結果、映画が成功したから良かったものの、一つ間違えば地獄行きの綱渡りを確信をもって突き進むハワードの異人ぶりは凄まじいものがありました。

映画で成功したハワードはキャサリン・ヘプバーン(ケイト・ブランシェット)と結婚し、飛行機事業にも手を伸ばします。ハワードは自分が開発に関わった飛行機に自ら搭乗して飛行しており、当時の飛行機の技術から考えて安全性が確かでないと思うのですが、彼の度胸も常人離れしていました。

キャサリンと破局してから、ハワードの人生に狂いが生じ始めたように感じました。それでも容赦なく飛行機事業を進め、航空会社を買収するなどハワードは突き進むのですが、その裏側で彼の潔癖症が異常なレベルになり、精神疾患と言える状況になっており、ストーリー後半はいったいどうなるのか予想のできない展開が続いて、面白かったです。

ハッキリ言ってハワード・ヒューズの人生を私は歩みたいと思わないですが、彼の足跡の奇想天外さは常人では計り知れないものがあって、傍観者として観る分にはとても面白かったです。ディカプリオの狂った演技は見ごたえがありました。

鑑賞日:2025年2月11日
鑑賞方法:CS ザ・シネマ
(録画日:2024年3月1日)
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