380

アビエイターの380のレビュー・感想・評価

アビエイター(2004年製作の映画)
4.0
ごめんなさい、と思いました。


ゴッドファーザーやスコセッシ、刑事プリオとかウルフオブ・ウォールストリート、我儘でリッチな権力者。政財界のドロドロ、買収、脅迫、踏ん反り返って煙草、女遊び。その辺りが兎に角苦手なのでずっと斜に構えていました。

観なきゃいけないかな…ってゆうのとGyaoで無料だったので観たんですが、前半ずっとイラついてました。ハワード・ヒューズが、ただのリッチな家の我儘な2代目ドラ息子って感じで全く好感が持てなかったので。

けれどもスコセッシやディカプリオが力を合わせて、そんな薄っぺらな、リッチで社会的にパワーが有って格好良いって事で男が憧れる、昔のそうゆう人の生き様を単にノッペリとなぞるだけのバイオ・ピクを創る訳がないのです。がしかしどうも信じられなくて三分の一観終える迄は嫌で嫌で仕方無かったんですね。

飛行機が墜落しても、強迫神経症でチョット苦労しても、ザマアと思ってたんですが…やっぱりあの引き篭もり辺りからでしょうか、とうとう味方をし始めてしまいました。デッカい飛行機がフンワリ浮かんだ瞬間、ヤッタ!とか思っちゃって…何これ?!なんで味方してんの?!とか思いました。

川魚や指紋、パイポの煙とかでイビられたからでしょうか?障害が有るからでしょうか…
いつの間にか主人公の味方をし始めていました。

つまりこの物語の提示するものが、なんとも有難い事に、ハワード・ヒューズ云々の更にその先の、ちゃんと普遍的な事柄だったと判明して安心して身を任せようと決められたからです。勿論それを言葉で説明するのは凄く難しいのですが。

そうゆう事を含有してないだろうと、勝手に思い込んでしまってごめんなさいって訳です。

↓↓↓
ケイト・ブランシェットの方が全然ウワテウワテと思えちゃう事は不可避です。刑事プリオなんかまるで子供に見えちゃって。この役、アカデミー賞での初めての受賞を彼女にもたらしましたし、俄然キャサリン・ヘップバーンの方に重きを置いて作られているだろうと思ったらエヴァ・ガードナーがかなり重要な位置で嬉しくなりました。ケイト・ベッキンセイルのキャリアにおいても一生に一度のターニングポイントたり得る非常に重要な役だったんですが…彼女はこの機会を生かしきれたのでしょうか。

エニウェイ復活を後押しする場面のエヴァは凄く綺麗で、汚い部屋もモノともせず(きゃー汚いとか言わない。これは日本の芸能人とかと比べて人生経験だとか格が違う所かなと)頼もしく、優しいし輝いていました。この時、ハワードは普通なのにエヴァの声にはエコーが掛かっていた事、気付いた方居ます?夢場面みたいな感じに。母親と重ねていたんだと思います。

言ったら、祭壇に生首と共に飾ってあったセーターを着て母親の振りをして、ジェイスンに話掛けてゆう事きかせるようなそんな感じです。これは湖のほとりのキャンプ場の、金曜日の出来事ですが。
「アビエイター」の中のボロボロになったハワード・ヒューズの耳に、エヴァ・ガードナーの声はこんな風に聞こえて居たのだろうと推測されます。

つまり結局はマザコンなんす。けど悪くは言えない。この映画で描かれているハワード・ヒューズは割と創作なんだそうですが、調べてみると16歳の時に母親を、18歳の時に父親を亡くしているみたいなんですね。で母ちゃんが潔癖症だったらしいんです。凄く影響を受けたって訳なんですよね、きっと。オープニング・シークエンスにもしてる訳ですから。

までも飛行機でもなんでも一つの事に熱中するのは良い事だし…じゃあ何が悪かったんでしょうか。ってなる。
何にも悪くないとなるとただのバタバタした人みたいに思えて来る。
したら攻撃されて可哀想。
そうゆうロジックで良いかな…
良いのかな…

↓↓↓
わざわざ実在の人物をモチーフにして、そうしたら伝えたい何かを乗っける事に心血を注いで創られたのかなと思っちゃいますよね。何を乗せたかったんですかね。

The hand that rocks the cradleじゃないかと思いました。
タイトルの「アビエイター 」:飛行家・操縦家、それは女子(母親)です。とか言いたいのでは?

なんつって。やっぱわかんない。
380

380