CELKO

エリック・クラプトン/ロックダウン・セッションズのCELKOのレビュー・感想・評価

3.8
音楽を奏でること。それは私が思っていたよりも至極シンプルなものだったのかもしれない。誰に聞かせるわけでもなく、何に捧げるわけでもない、"演奏する"という営みそのものに在るプリミティブな喜びを忘れたくないと思った。

この世界で、特にコロナウイルス蔓延により大きく変わってしまった世界で、それでも音楽の火を絶やしたくない、絶やしてはいけないという強い危機感と使命感。大切な聴き手との距離が縮まらないもどかしさと悲しさ。未だ消えない制限のもとでそれらと戦いながら、できることをやっていく。大事に大事に音楽を守っていく。それは、クラプトンが何十年もやり続けているブルース・ルーツミュージックを演奏し続けること、即ち音楽を語り継ぐという行為と重なって見えた。
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